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2022年6月27日09:00 [未来創り]
会社は色んなモノ、サービスにお金を支払っています。
「固定費」は「変動費」に対応して言われる言葉で、売上にあわせて変動するかどうかを基準に考えます。
固定費は売上が増減しても変わらないもの、たとえば「地代家賃」などがあてはまります。
これは管理会計と言って分析するための分類ですので、何を見たいか、どの程度詳しく考えたいかによってやり方はいろいろとあります。
久米会計のお打合せではこれを分けてご説明しています。
固定費を知ることのメリットは下記のようなものがあります。
売上が上がっても下がっても変わらないのが固定費です。
不況の状況だと、売上が下がっているのに固定費はそのままなので、
削減する時には標的になりやすそうな部分ではあります。
ただ、固定費はただの悪者だと思ってしまうのは逆によくありません。
固定費がまったくない会社があったとすると、その会社はただ利ザヤを抜いてるだけです。
固定費の一種である人件費だけあった場合でも、固定費がないのであれば、
そこで働いている人はおそらく独立しても変わらない売上げを上げることができるでしょう。
得意先との関係を会社が担保している、としたらそこに固定費がかかっているはずです。
こう考えると固定費は会社の存在意義を担保しているところがあります。
直接売上に関わっていなくても利益を生み出す力が固定費にあるからこそ経費としての意味があります。
会社の力としての固定費は3種類の方向性があります。
①は地代家賃や人件費をイメージしています。
100万円の売上を上げるのに1人いるなら、50万円の売上増では雇い入れなくてもよいが、
200万円の売上増なら2人を雇い入れる必要があります。
変動費のように見えますが、売上の規模によって階段をのぼるように増える点と、
売上が減ってもそのままになってしまうのが特徴です。
②は何かシステムを導入したり、社員の動きがしやすくなるように使われた費用です。
これは規模に関係なく導入できますし、売上が減っている状況でも効果を発揮していることも多いと思います。
③は開発費や交際費などが入ってくると思います。交際費はただの冗費(無駄な出費)になりがちですが、
種まきをしていることでつながってくるビジネスチャンスも当然あります。
このように固定費と言っても色々な意味合いがあります。
経費の見直しをしたり、未来の計画を考える時には固定費の内訳を上記の3つで分けるとよいと思います。
たとえば、経費を減らしたいときに考えるのは③が今の売上に紐づいていないので
一番削りやすいものになると思います。
ただ、あまり減らしすぎると
状況が好転するのも遅くなる可能性もありますので、バランスが必要です。
①は1番減らしにくい部分ですが、ボリュームも大きいことが多い部分です。
売上規模に直結する設備や人の部分なので、今の売上に合わせてしまうと
売上回復した時にまたコストがかかってしまうので、ギリギリまで減らさないでいけるならその方がよいと思います。
ただ、設備が2,000万円の売上をあげられる用意があるのに
人件費は1,000万円に対応する分しかいないのであれば、このギャップは検討できる余地がありそうです。
固定費も計画や見通しを立てる段階の時には内容を踏まえながら売上との関係を考えることで、
より会社の力が十分に発揮されるコストの構成ができると思います。
変動費は売上を上げるための燃料だとすると、固定費はエンジンそのものにあたります。
エンジンを小さくすると会社の価値を生み出す力も下がってしまいますので、よいバランスを考えて会社の形を作っていきましょう。
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