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2023年7月3日09:00 [事務所通信,会計税務,未来創り]
お客様(社長)が、弊社との打合せ時に
よくお聞きになることで、常に上位なのが他社の状況です。
会計事務所という仕事柄
いろいろな業種のお客様とお付き合いし肌感でわかる部分と
中小企業の情報がタイムリーに入ってくるということが
お客様も理解され、この質問になるのだと思います。
統計的に業種でみると
建設業や小売り・飲食など、材料や商品の仕入が多い業種は
インフレのあおりを受け、コロナ融資後の倒産件数が増加傾向です。
また、運輸・通信業は燃料費と人手不足、サービス業は人手不足で
倒産件数は増加傾向です。
企業全体が不況で販売がうまく伸びず
安値で販売して赤字となり
加えて売掛金が回収できない、といった具合で
悪循環で倒産するという状況が多そうです。
ここでいう安値で販売とは
インフレや賃上げを売値に価格転換できないと考えてください。
大手企業はバンバン値上げをしてきています。
私たち中小企業も
売値にすぐに価格転嫁できれば良いのですが
売れない、お客様離れ、という不安や
ライバルの売値との比較から中々値上げに踏み切れず
という状況が続き、小規模ほど倒産しやすい体質になっている
と感じます。
実際に統計上もリーマンショック以来の倒産件数の増加率です。
ただ、いつも最終的には社長次第と回答しています。
業種や業態にかかわらず
どのような業種や業態でも
力強く成長と安定を実現している中小企業を目の当たりにすると
現実はその回答にならざるを得ません。
事業で大事なことは
まず第一に売りものです。
粗利の元です。
売りものとは
商品は当然ですが、技術やサービスもそうです。
これが他社より優れている、すごいなと感じる企業は
何やかんや言っても成長中です。
社長が、先行きを見据え
現在の商品やサービスを磨きあげていったり
現在の事業の周辺にアンテナを立て
商品やサービスを追加していく姿勢が見られます。
第二にカネです。
資金が尽きると倒産するからです。
お金がないと
頑張って働いてくれている従業員への給与支払や昇給もできない
取引先への支払いができないと仕入れができなくなります。
必要な先行投資もできない。
粗利を稼ぐための協力が得られなくなります。
ですから、今ある粗利をあるうちにうまく活用し
さらに資金を増やすにはどうしたらよいか
というようなことを社長が考えるかどうかです。
社長が資金を見る眼を磨く姿勢にかかっています。
最後にヒトです。
人を大切にすると事業目的に協力していただけるからです。
働いていただいている従業員さんが
ウチの会社はいいよ、と言っていただける企業にしたいですね。
先行きそんな会社にしたいと社長が想いを持つかどうかです。
どうすればそうなれるかというマニュアルはありませんが
社長がそう心底思えば時間がかかるが従業員さんには伝わります。
このような理由から
社長次第とお答えしています。
現実に見ていて、業績が良い企業は
打合せでの社長の発言が正にココを突いてきます
私どもは、このようなことから
社長の姿勢こそが中小企業を発展させ
豊かな社会をつくれると考えています。
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前置きが長くなってしまいました
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本題、中小企業の発展への想いです。
さて、先ほどの「ヒト、モノ、カネ」への
社長の取組みが客観的に確認できる書類が決算書や試算表です。
決算書は通常、年1回作成ですが
設立から現在までの推移がわかります。
試算表は毎月作成していれば
社長の今の取組みが
何かしらの業績として出てますから
現在の方向を変えるのか
継続するのか、の判断に役立ちます。
ただ、決算書や試算表は
はっきり言って
わかりにくい、見にくいのが実感です。
社長が見るのも嫌になる気持ちが
よくわかります。
ですが
決算書や試算表にある数字情報が
読み取れ、未来に活用できる
と、社長の一生の武器になります。
その取っ掛かりとして・・・
社長が、会計から経営数字(金回り)の仕組みを
体系的に覚えていきたい、慣れていきたい
見る眼を磨きたい、経営改善の足掛かりにしたい
という想いがあれば弊社にご相談ください。
金回りがよい、お金に困らない会社になるには
ということが貴社の数字でわかるようになります。
黒字やけどお金がないのはなぜ、税金のせい?
売上がグングン伸びているが
お金が無くなっているような気がするのはなぜ?
このような質問はホンの一端の話です。
そして、会計からこの仕組みがわかれば
過去や現在の実績や未来の目標設計に至るまで
活用できるようになります。
特に、この金回りを社長が理解するのに欠かせないのは
決算書や試算表のBS(バランスシート、貸借対照表)です。
ですから
こう思っている社長には特に貢献できます。
◆ PLはわかるが、BSはよくわからない
年商をひたすら追いかけ売上が増えれば何とかなる
という社長が根強くいらっしゃいます。
(成長には不可欠な要素ですが)
ただ、調子のよいときは金回りがよいのですが
何かのきっかけで売上が伸びない
売上が減少し続けるという現実
に直面した際に、例外なく金回りで苦しんでいます。
◆ 金回りを変えたい
これは一朝一夕で変えることはできません。
現在の金回りはBSに表現されています
BSには
お金とお金の使い方
そのお金の元が何か、が表現されています
このBSはよく人の体質に例えられます
なぜなら、肥満体質の方がダイエットして
筋肉質の体質に変わることに時間がかかるのと同じだからです
長期の借金でいったん設備投資をすると
投資資金を回収するまで何年も時間がかかります
売上代金の回収が3カ月後という体質であれば
急に明日から得意先に現金でほしいと言っても
取引を断られるかもしれないとか
稟議に時間がかかるとか、で
急に変更するのは相手がいることだから
勇気と困難で乗り越える必要があります
そして
実は、BSに表現されている、PLの項目は
当期利益(税引利益)しかありません
ですから、基本的に
金回りを良くするうえで
PLで大事なことは、利益をコツコツと積上げることだけ
これだけでも
BSは1年やそこらで変わることがないとわかると思います。
最低5年後の目標BSを持った経営が必要です
ただ実感としては
いきなり5年後の目標BSを作成するよりも
まず
実績をトレースする
翌月の予測を見る
さらに1年後の目標BSをつくる
このような作業を繰り返すことが大切です。
繰り返した回数こそが
どこを増減したらお金がどうなるのかが
直感でわかり、実際の経営につながってきます。
なぜなら、直近の動きの方が覚えているので
実感しやすいからです
ただ何度も申し上げたとおり
BSの体質を変えるには時間がかかります
1年後の目標BSは、BSを使いこなす中間目標です
長期(5年)目標BSの作成こそ
無借金経営や金回りで困らない安定経営をする
みちしるべになります
ヒト・モノ・カネへの社長の姿勢
=中小企業の業績向上
=つながる人の豊かさアップ
本日は以上です。
中小企業の経営ガイド
久米 章仁
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