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ここでは、銀行員が見て「融資しても大丈夫そうだな」と思う決算書だとしましょう。
今回は少しでも融資に有利に働く決算書とは何かについて、ポイントを3つお伝えします。
①「現金」を管理する
皆さんは、会社の現金を「1円単位まで」合わせているでしょうか。
「ドキ!」っとされた方、結構多いと思います。
税理士事務所に所属している手前、たくさんの決算書を見ていて
感覚的に合わせているのが、3割くらいの印象です。
なぜ大事か?
銀行員の立場から見れば、要は決算書を疑ってみるか、そうでないかという「心証」に
関わってくる可能性があります。
例えば、決算書に
A社 現金:56,751円
B社 現金:1,500,000円
と載っていた場合、どちらがちゃんとした会社だと銀行員は判断するでしょうか。
(極端な例ですが、結構あります 笑)
【銀行員目線】
A社:ちゃんと経理されていそうだし、決算書もちゃんとしていそうだな。
B社:絶対、社長抜いてるやん。これは決算書をじっくり見ないと見誤りそうだな。
→スタートラインとしてAの方の心証でスタートしたいですよね?
また、最近話題になっている「経営者保証の解除」の要件として、
「資産の所有やお金のやりとりに関して、法人と経営者が明確に区分・分離されていること」
という要件があります。
ちゃんと法人のお金と社長個人のお金を分けていれば、
先ほどの例のような現金の額にならないはずです。
これを機にまだ未実施の方はぜひ取り組んでみてください。
②「役員貸付金」はないか
これは、①の現金にも通じる科目ですが、
要は、「社長に貸し付けているお金はいくらあるのか」という話です。
(役員に留まらず、「貸付金」とつく科目は注意が必要です。)
なぜダメなのか?銀行員目線で考えると一目瞭然です。
銀行員の内心を覗いて見ましょう。
「貸したお金が社長個人に流れて私用に流用されないかな。
本来の使用目的と違うと契約違反で非常にマズいんだけどなぁ。
期末の査定に響きそうだし、もうちょっと詳しめに質問しようか。」
となるわけです。
「借りたお金を返しているんだから、使い道なんてなんでもいいのでは?」
と思われるかもしれませんが、この使い道(使途)は非常に大事です。
極端な話、一括返済を求められる可能性もあります。
ということでこちらも注意が必要です。
③「純資産」は積み上がっているか
「純資産」とは資本金や繰越利益剰余金という科目が並ぶ「右下」の項目です。
何やら難しい用語が並びますが、
要は、「自己資本がいくらあるのか」を表しています。
実は、銀行員はこの項目に注目しています。
なぜか?
それは、会社が生まれてから現在までの
「会社の利益に対する考え方が現れるから」です。
会社が利益を出せば出すほど、「繰越利益剰余金」という科目が増加します。
何を意味するかと言えば、
「儲かっている会社なのか」が一発で分かります。
また、同時に「社長が節税思考なのか」も実は分かります。
なので、真っ先に「損益計算書」を見るのではなく、
「貸借対照表」を見る銀行員の方もいます。
こちらも銀行員目線で見ると、
A社「純資産が順当に積み上がっているので、貸してもちゃんと返って来そうだな。」
B社「業歴がこれだけあるのに、純資産が積み上がっていないな、ちょっと詳しく
社長に質問しよう。」
というふうに評価が分かれます。
ただ、注意してもらいたいのは、
B社のような評価であったとしても借りられる可能性があるということです。
それは、具体的に納得できる理由があったり、今後どうしていくかの方が
大事だったりします。
なので、過度に悲観的になる必要はありません。
最後に、
今回は、「美しい決算書にするためにやるべきこと3選」と題して
3つのポイントをお伝えしました。
実は、この「3つ」に共通することが「1つ」あります。
それは、今日お話しした全てが
「貸借対照表」の項目であるということです。
よりによって、「一番苦手な書類に重要なことが書いてあるのか」
と思われた方もいらっしゃると思います。
そうなんです。
実は、「貸借対照表」を読めるかが決算書を読めることに「直結」します。
ぜひ意識して見てください。
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