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旧年中はいろいろとお世話になり
まことにありがとうございました。
本年もよろしくお願いいたします。
さて、本日のテーマは、「利益の役立ち」です。
私どもが打合せなどで社長からよく聞くワードは
今年は目標どおりの利益が出たとか
計画未達だったとか
売上高経常利益率が3%
来期は5%を目指すとか
儲かったとか
赤字だったとか
などです。
これらは実は経営の良し悪しを測定しています。
これが利益の役立ちの一つなのです。
経営の神様と言われているP.F.ドラッカーは
この利益には3つの役立ちがあるとしています。
①利益は経営の良し悪しの判定としての役立ちをもつ。
利益は経営努力の有効性と健全性との測定の役目を果たします。
②利益は事業継続費(事業存続費)としての役立ちをもつ。
事業の存続に必要な諸経費(設備更新費・危険や不測の事態
のための準備金等)をカバーする役目です。
この視点でみれば
会計上の利益なるものは存在しないと明言しています。
③利益は必要資本調達としての役立ちをもつ。
事業の革新・拡大に必要な資本の調達を確実にする役目です。
利益の毎期の積み重ねが内部留保です。
この内部留保を増やすことで借入(外部調達)しなくても
自己資金で事業の投資活動ができると同時に
融資や新たな出資を生み出しやすい環境をつくれる
と言っています。
倒産しない企業創りで第一の指標が
自己資本比率であることもうなづけます。
特に②「利益は事業存続費である」との役立ちは大事です。
利益は企業を継続していくための条件だからです。
企業は事業存続のために
内には設備や商品の老朽化や陳腐化
外にはお客様の倒産や材料・経費の高騰など
自社のみだけでなく、他社の動向や社会環境変化からの危険を
抱えています。
その危険を乗り越えて存続していくためには
危険が現実に起きたときの備えとして
「貯金」や「保険」となる利益を積み立てておく必要があります。
そういう意味では、利益は「儲け」ではなく
「将来経費たる」事業の継続費・危険回避経費である
と考えなければなりません。
いつ起こるか予測不能なコトに対する備えです。
起こってからでは間に合いません。
コロナ禍からの教訓を活かし
本格的にコロナ融資の借入返済が始まる
今から活かしたいものです。
いつ危険が生じるかわからない将来に対し
最低限どのくらい利益が必要かをとらえ
それ以上の利益を上げる事業に建て直しを行わない
と存続できないということなのです。
「売上でなく利益」に重点・視点を置き替え
先行き5年、10年、生き抜くために
長期的に蓄えるべき必要な利益はいくらか
からスタートしましょう。
本年も、お客様ならびにお取引先様、関わる皆様方の
今と未来に笑顔をつなげられるよう努めてまいります。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
中小企業の経営ガイド
久米 章仁
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