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「資産(資金運用)をみる」

2024年4月1日09:00 [お知らせ]

いつもお世話になりありがとうございます。
中小企業の経営ガイドの久米です。

経営数字の活用を通して
経営の先行き不安を少しでも減らして頂きたく
情報提供させていただいております。

本日も皆様の経営の一助となれば幸いです。

 

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本日のテーマは「資産(資金運用)をみる」です。
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倒産は赤字でそうなったわけではなく
キャッシュがなくなったから起きます。

キャッシュがあれば倒産しなくて良かったのです。

高度成長期の時のように
毎年毎年自然と売上が増加していく時代は
ダイエーのように借入してガンガン店舗展開しても
キャッシュがなくなることはなかったのですが、

今は低成長期です。
回収するアテのない多額の設備投資をしてしまったら
それこそ取返しがつかなくなります。

稼いでくれない固定資産にキャッシュが取られたら
手元にキャッシュがない状況になりかねません。

それを自己資金ではなく借入により購入していたら
返済する原資はその稼いでくれない固定資産からは
生まれないわけですから足かせを一つつけられた状況
になります。走りにくくなります。

また、
儲からない得意先の売上をガンガン増やし
もしその得意先が倒産し売上代金が回収されず
未収金が膨れ上がっても先ほどの設備投資と同じように
手元のキャッシュはなくなります。

先月の多額の売上のお金がずーっと入ってこないと
考えれば背筋に寒気がしますね。たとえ黒字であっても
キャッシュがなければ倒産します(黒字倒産)。

ですから倒産しない企業を創っていくには
簡単なことではありませんが
手元のキャッシュを潤沢にすればよいのです。

借入も一つの手法ですが、
借入れしたら利息をつけて返済しなくはいけません。

では何をみてどう考えればよいか。
その答えがBS(ビーエス、貸借対照表)にあります。

BSの資産です。
資産はキャッシュ(お金)のカタマリだからです。

売上を増やし利益を出してお金を増やす発想以外にも
売上を増やすのが難しいから
儲けに貢献しない(お金を増やさない)
働いていない、寝ている資産を処分して換金する発想
を持つことです。

そこで換金したキャッシュを
より儲けにつながる人やモノ・事業・商品に
投資すると考えればよいのです。

ですから、
BSの左側の資産(資金運用)を
落ち着いて、一つひとつ丁寧に
内容を見ていくことをお勧めします。

見方の例をいくつか挙げておきます。

1)現金・預金
利息がつかない手許現金や当座預金よりも
利息のつく普通預金や定期預金の方が
儲けに貢献しています。

2)売上債権_受取手形・売掛金
ずっと未回収のままの不良債権は
お金を増やすことに貢献しません。

回収期間の長い手形より回収期間の短い売掛金
の方がお金になるスピードが速いので
より儲けに貢献していると言えます。

決済条件を見て速められないのか
という視点を持ってみましょう。

3)在庫
なかなか売れないモノや
先行き売れることがないモノより
すぐ売れるモノの方がお金になるスピードが
速いのでより儲けに貢献していると言えます。

また、粗利益率の低い在庫よりも
粗利益率の高い在庫の方がより儲けに貢献します。

不良在庫や不良になりそうな在庫は
バーゲンセールで早めにキャッシュ化できませんか。

4)固定資産
あまり使わずに置き場や事務所で
放置されているモノより
現場や事務所で使用され
よく働いてくれている方がより儲けに貢献しています。

不良資産は売却してキャッシュに変えましょう。

また、
貸付金や出資金などは
利息や配当があった方が儲けに貢献しています。

このような見方で、
BSの資産の一つひとつを
帳簿_元帳・在庫表・固定資産台帳・得意先別売掛表・
申告書の科目内訳書など_から特定して内容を見る
とともに、

モノの置場や得意先の状況など現場・現物・現在の
使い方を確認しに行くとよりキャッシュへの貢献度合
がわかり、大きな気づきが得られます。

資金運用が変われば
日々の資金繰りはグッと良くなります。

「PLは体力、BSは体質」とよく言われます。
肥満体質を筋肉質な肉体へすぐに変えられないのと
同じように、小手先のテクニックは通じません。
リバウンドします。

ですから、
今から丹念に取り組めば
5年先・10年先は必ず成果が得られます。

最後になりますが、

ROA(アールオーエー、Return on Assets)
という指標を紹介しておきます。

ROAは総資産利益率というもので
経常利益÷総資産×100(%)で計算できます。

この意味は「小さな元手で大きく稼いだか」
を読み取る指標で、経営の原点となるモノサシです。

「人・モノ・カネ」の不足している
中小企業だからこそ創意工夫を実践に即移して
高めやすいと考えています。
(ちなみにROA=2.5%以上を目安とすると良いでしょう

倒産しない企業創り=企業の存続という視点では
損益(利益)よりもキャッシュが大事です。
キャッシュは利益だけでなく資産(資金運用)からも
生み出すことができます。
これからの時代は「資産をみる
重要です。

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